本年度は研究期間の2年目となる本年度は、前年度の予備調査に基づき、ポッドキャスティング配信用音声コンテンツの開発および一部公開、授業での試験的利用、学会・研究会への参加を行った。まず、予備調査の結果ニーズの高かった「ドラマ」「会話」「ディスカッション」を中心に番組を企画し、謝金を使い、外国人英語話者の協力を得て台本の執筆および音声の録音を行った。録音した音声は、本研究費で購入したレコーダとコンピュータを用いて、録音から編集までの一連の作業を行った。こうして開発した教材をポッドキャスティングとして配信するためのシステムを構築し、パソコン、携帯電話、デジタルオーディオプレーヤといった多様な視聴形態に対応すると同時に、アクセス解析システムを設置してログの分析を可能にした。作成した番組の一部は「Hiroshima University's English Podcast」という名称で8月から公開を開始し、本年度末までに35本公開している。iTunes Store等のポータルを通じて一般利用者への周知を図った結果、アクセス数が着実に増えている。次に、次年度に予定している本格的調査の前段階として、大学生を対象にポッドキャスティングを利用した英語学習を促進するため、自学自習用教材として試験的に利用し、アンケート調査を通じたフィードバックを得た。最後に、他大学などでの実践・研究の動向を把握するために、旅費を利用して、学会や研究会などに参加し、他の研究者との情報交換を通じて有益な知見を得た。 研究期間の最終年度となる次年度は、番組配信を継続しつつ、内容理解確認用教材および課題テストを開発し、ポッドキャスティング教材による自学自習が日本人学習者の英語聴解力にもたらす変化や、その配信形態の学習支援効果を検証し、その結果を学会等を通じて発表する予定である。
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