研究期間の最終年度となる今年度は、昨年度開始したポッドキャスティング教材の開発・配信を継続しつつ、内容理解確認用教材を開発し、ポッドキャスティング教材による自学自習が日本人学習者の英語聴解力にもたらす変化や、その配信形態の学習支援効果を検証し、その結果を学会等を通じて発表した。 まずポッドキャスティング教材開発においては「ドラマ」「会話」「ディスカッション」を中心に番組を企画し、謝金を使い、外国人英語話者の協力を得て台本の執筆および音声の録音を行った。録音した音1声は、本研究費で購入したレコーダとコンピュータを用いて、録音から編集までの一連の作業を行った。こうして開発した教材をポッドキャスティングとして配信するためのシステムを構築し、パソコン、携帯電話、デジタルオーディオプレーヤといった多様な視聴形態に対応すると同時に、アクセス解析システムを設置してログの分析を可能にした。本年度末までに52本を開発し、「Hiroshima University's English Podcast」として週1回インターネットで配信した。同時に、コンテンツの一部に準拠した内容理解確認用教材を作成し、授業にて試用した。 次に、開発したポッドキャストを利用して縦断的研究を行った。英語学習の意欲の高い希望者を対象に、ポッドキャストを半年間継続的に聴取し、その聴取記録を取るとともに、プレテストおよびポストテストを実施し、英語リスニング能力の変化を検証した。ここで得られたデータなどに基づき、2件の論文発表を行った。 最後に旅費を利用して、国内外の学会・研究会に参加し、3件の発表を行うとともに、他の研究者との情報交換を通じて有益な知見を得た。また、研究成果を広く公開するため、電子媒体の報告書に加筆をして冊子体にまとめたものを印刷した。
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