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2008 年度 実績報告書

言語間におけるライティング能力の双向性のモデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 19520492
研究機関広島大学

研究代表者

小林 ひろ江  広島大学, 大学院・総合科学研究科, 教授 (50205481)

研究分担者 リナート キャロル  広島市立大学, 国際学研究科, 教授 (20195390)
キーワードレトリック / 転移 / 議論文 / 反論 / L2 ライティング / L1 ライティング / 日本語学習者 / テクスト構築
研究概要

20年度の研究目的は、対照レトリックの観点から、アメリカ人大学生と日本人大学生によるL1(母語)による議論文の比較である。現在までにL1として英語/日本語から、そしてL2として日本語/英語による作文データを収集し、分析を行ったが、今回はL2ライティング訓練の影響が少ない被験者を対象として作文データを収集し、母語による作文の特徴を特定することを目標とした。
日本人被験者は国語教育または初等教育専攻の3年生、15名と大学院生6名の計21名から議論文を収集したが、アメリカ人被験者については、19年度収集した英語作文の分析結果、L2である日本語作文の影響がL1(英語)に見られなかったのでこの14名と新しく収集した6名、計20名の英語作文を分析対象とした。
暫定的であるが、主な分析結果は、(1)日英語による議論文の構成には共に大きく三つの要素(主張、理由、反論)が含まれているが、英語に比べると日本語作文では反論の使用頻度は低い、(2)英語作文では書き手の主張は序文の最後に表現されるが、日本語作文では主張が序文の文頭に出現する傾向が目立つ、(3)日本語作文では、被験者の専門知識や経験がサポートとして有効に使用されている、(4)学部生と院生の違いは、後者は書き手が自分の視点をもってテーマを分析し、より論理的に作文を構築している点である。以上の結果、まだ詳細な分析が必要であるが、日英語による議論文の類似性の確認と専門知識および訓練の影響が作文構築に大きな影響を与えることを明らかにした。この情報は、ライティング能力の双向性のモデル構築に大変有益であると考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Task response and text construction across L1 and L2 writing : Japanese overseas high school returnees2009

    • 著者名/発表者名
      小林ひろ江
    • 雑誌名

      広島大学総合科学研究科紀要「人間科学研究」 3

      ページ: 11-27

    • 査読あり
  • [学会発表] Situated L1/L2 Writing Experience : Overseas High School Returnees vs. Non-returnees2008

    • 著者名/発表者名
      リナート・キャロル, 小林ひろ江
    • 学会等名
      International Association of Applied Linguistics
    • 発表場所
      Essen, Germany
    • 年月日
      2008-08-27

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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