教育先進国フィンランドの小学校における教科としての英語教育の実態に学びながら、日本の小学校における教科としての英語教育導入及びその後の発展のための指針と課題を提示するという本研究の目的を実現すべく、研究3年目(最終年度)に当たる本年度は、それまでの2年間にわたる研究実績に基づきながら、フィンランドの教育制度と外国語教育制度全般、及び小学校における英語教育に関する先行研究の分析を継続して行うとともに、昨年度に引き続き、フィンランドの研究協力者(小学校教員)の支援を受けながら、教科としての英語教育を長年続けているフィンランドの小学生の英語学習に対する意識の分析に焦点を当てたアンケート調査を複数の学校の児童を対象に実施した。この調査の結果は、平成21年7月に東京学芸大学で開催された第9回小学校英語教育学会(JES)東京大会、および平成21年8月に鳥取大学で開催された第35回全国英語教育学会鳥取研究大会で発表した。かつ、夏期休業期間中の9月下旬の2週間を利用して、フィンランドを訪問し、アンケート調査の追跡調査を行うとともに、調査にご協力いただいた学校の教員との研究協議を行った。 加えて、フィンランドでの研究協力校から教員を招聘し、鳴門教育大学および鳴門教育大学附属小学校において、講演会を開催するとともに、研究協議を行った。さらに、第21回四国英語教育学会(6月28日、高知市)、平成21年度鳴門教育大学附属小学校研究会(2月13日、徳島市)、平成21年度小学校英語教育シンポジウム(鳴門教育大学小学校英語教育センター主催、2月20日、徳島市)等に参加し、国内や海外での小学校英語教育の現状や課題について新しい知見を多く得ることができた。これらの研究成果を踏まえて、本年度は研究の総括を行った。
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