本研究は、1)上級英語学習者の発話能力向上に必要な方略使用能力を効果的に育成するための教材(タスク)を開発すること、2)それを応用した指導法を考案し、検証することを目的として申請した。3年継続研究の2年目(平成20年度)は、以下の研究内容を交付申請書(平成20年4月25日付けで提出)に記載した。 1.本研究で開発したタスクの授業(「H&P事前英語研修」)への応用 2. H19年度に収集した海外長期滞在の方略使用に関するデータの継続分析 3.タスク開発に伴う実証研究 4.平成19年度の研究によって得られた成果をとりまとめ、学会発表 1については、昨年の研究で作成した授業用タスクを継続して使用し、学習効果をアンケート調査するなどした。実用的な意味合いでは、まだタスクの量そのものが不足しており、これまでに収集したデータを基に、さらにタスク開発を継続して行う必要がある。これに関連して行ったのが上記3である。この実証研究は、研究者の所属する学部の学生10名にモニタとなって参加してもらい、平成20年11月〜12月にかけてデータ収集を兼ねた授業を6回にわたって行った。授業の様子はすべてビデオ収録した。また使用タスクについて、毎回アンケート調査を実施した。これらによって収集したデータは研究最終年の平成21年度中に分析を行う予定である。 次に上記2については、1と2の研究に時間を要したため、データ分析を平成20年度末までに十分に終えていない。これについても、平成21年度に継続してデータ分析を行うこととする。最後に4については、初年度と2年目の研究によって得られた研究成果を、平成20年度内に3つの国際学会で発表した(詳細は次ページのとおり)。ただし、20年度後半に行った研究からのデータ分析等はまだ完了していないため、それらの発表は21年度に行う。
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