コメディカル専門職を養成する大学において、科学研究費補助金を得て17〜18年度に「話し言葉」(聴解・発話)に焦点をあてて英語カリキュラム開発と教科書作成を行った。19〜20年度には、「書き言葉」(読解・作文)に焦点を当てて、研究を進めた。 先ず、新入生、新2年生を対象として、教材内容についてのアンケート調査を行った。大学教育の経験をふまえた新2年生は自分の専門分野を視野に入れたトピックスに興味・関心を示した結果、各学科間には大きな相違が認められた。一方、新入生は、英会話、グローバルなトピックスに興味を示し、英語力を高めたいという意欲が見られた。 書き言葉の理解力を高めるためには、文法力と語彙力が必要である。諸療法・福祉関連の概念は欧米で学問が体系づけられて発展してきたといえる。その概念を日本社会に適応させ、発展させようとするとき、英語で表現された専門用語の正確な理解が必要である。そのためには医療福祉分野でのCorpus研究と教育が必然となり、加えて内容の充実した文献を集めることも基本である。 本研究の試みとして、学生に必須の読解教材を集めて書き下ろし、教科書として作成し、授業で使用を開始した。文献による読み方技術(skills)の指導も行う。また語彙力を高めるために、モバイルを利用した語彙力アップをみる対照研究も試みている。 作成した教材の更なる充実と、語彙力アップの方法をさらに模索したい。尚、研究の成果を、日本医学英語教育学会、外国語メディア学会、2008IAICSにおいて発表した。
|