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2009 年度 実績報告書

英語ライティングの自動採点の可能性の研究及びその教育への応用

研究課題

研究課題/領域番号 19520512
研究機関東海大学

研究代表者

松本 佳穂子  東海大学, 外国語教育センター, 教授 (30349427)

キーワード英語ライティング教育 / 自動採点ソフトウェア / 評価基準(Can-do Statements) / フィードバック機能 / 授業モデル / 指導の最適化 / 学習者の自律性 / 教師の負荷の軽減
研究概要

本研究の最終目的である「日本の英語ライティング教育における自動採点ソフトウェアの実用性の研究とその利点を生かした授業、評価モデルの構築」の最終段階として以下の実験・検証を行った。本研究では、自動採点ソフトを単なる評価の道具として使うのではなく、その様々なフィードバック機能を利用して、指導を効果的にすると同時に学生の自律性を高めることを目標としている。初年度は世界で一般的に使用されている評価基準を盛り込みながら、自動採点ソフトを導入した授業モデルの有効性・実用性を検証した。2年目はその導入方法の最適化を求めて3つの授業モデル(授業外での使用、授業内での使用、その組み合わせ型)の有効性を比較し、学生の伸び、学生と教師の反応などを更に精査した。本年度はその結果に基づき、学生の学力、特性によって3つの授業モデルの有効性がどのように変わってくるかについて、統計的分析だけでなくアンケートやインタビューを使った詳細な質的検証を行った。同時に、より日本の大学の英語ライティング教育の実情に合った自動採点ソフトを将来開発することを念頭において、本研究に使用したCriterion(sm)以外のいくつかのソフトを実際に使用した授業を行い、どのような機能がもっと強化されるべきであるかを模索した。
今年は本務校におけるカリキュラム改訂の準備年に当たり、そのために初年度の世界基準の調査・研究において参考にした「ヨーロッパ共通基準枠(CEFR)をライティングの必修カリキュラムに取り入れた。カリキュラム開発過程で、日本の大学ライティング教育に必要な要素をCan-do Statements(詳細な目標及び基準)として体系化し、それに照らして自動採点ソフトを導入した3つの授業モデルを再度検証することで、各モデルの改善点がより明らかになった。
3年間の研究で得られた最も重要な知見は、「自動採点ソフトの使用によって文法や表現などの指導における教師の負荷を減らすことができ、教師がより重要な側面(論理的思考や批判的思考を必要とする分野、即ち内容の深さ、論理性、一貫性など)の指導と評価に時間とエネルギーを効果的に向けられる。」という点である。3つの授業モデルのうちどれが最適かという問題については、学生の特性、教師や指導環境などによって違う結果が得られたので、今後はどのような条件や状況においてどのモデルが最適かという検証を進めて行きたい。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] The development and validation of CDSs for Japanese college writing courses2010

    • 著者名/発表者名
      松本佳穂子
    • 雑誌名

      イギリス応用言語学会第42回大会論文集 2009年度号

      ページ: 29-33

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 英語ライティング自動採点システムを導入した授業デザインの評価2009

    • 著者名/発表者名
      松本佳穂子
    • 雑誌名

      日本教育工学会研究報告集 2009年No.3

      ページ: 161-164

  • [学会発表] Creation of a Portfolio System Based on Can-do Statements and PDCA Cycle2010

    • 著者名/発表者名
      松本佳穂子
    • 学会等名
      SITE第21回国際大会
    • 発表場所
      米国サンディエゴ
    • 年月日
      2010-03-30
  • [学会発表] オンラインテストの回答行動に関するデータから得られるもの-新しい研究の可能性-2009

    • 著者名/発表者名
      小山由起江・秋山實・田中省作・松本佳穂子・水本篤・宮崎佳典
    • 学会等名
      日本教育工学会第22回全国大会
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2009-09-19
  • [学会発表] Development and Validation of the In-house Can-do Statements for Required Writing Courses2009

    • 著者名/発表者名
      松本佳穂子
    • 学会等名
      環太平洋応用言語学会第14回大会
    • 発表場所
      京都COOP Inn
    • 年月日
      2009-08-01

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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