研究概要 |
予備調査1のインタビュー結果をもとに、プレッシャーがある状態における準備なしで行うスピーキングを困難にしている言語的、認知的、情意的要因を調査する質問紙を予備調査2において完成させ,本調査を行った。 予備調査2では,質問紙の質問のうち、言語的な質問項目については研究分担者の大和、認知的な質問項目については研究代表者の尾関、情意的な項目については研究分担者の廣森が中心となり作成した。研究代表者の尾関は社会系の学生、研究分担者の大和は人文系の学生、研究分担者の廣森は理科系の学生、合計約300人を対象に質問紙調査を実施し,その結果について因子分析を行い,質問紙を完成させた。 完成した質問紙を用いて本調査を行った。本調査では,異なる習熟度をもつ学生20名に4枚の絵を見せて物語を作成するという実験を行い,学生たちのスピーチをテープに記録した。記録されたスピーチは文字化して,それぞれの発話のaccuracy, fluency, complexityを分析した。また,ストーリーテリングの実験の直後,質問紙調査も行った。それにより,言語的要因,情意的要因,認知的要因が学生たちのスピーチのaccuracy, fluency, complexityにどのように影響を与えているかを調査した。その結果,言語的要因は予想どおりaccuracyと正の相関関係があったが,情意的要因,認知的要因が被験者のaccuracy, fluency, complexityに影響を与えていることがわかった。
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