19度の後期におけるパイロット研究の成果を全国英語教育学会と中部地区英語教育学会で研究代表者と研究協力者が4件発表し、査読つき紀要に3点採用された。パイロット研究ではあるが、それなりの効果をあげたこといついて高い評価を得たことは今後の研究の励みになった。 20年度の多読実践は中・高・大において順調に実施された。多読の効果を測定するためのプレ・テストとポスト・テストを実施したが、昨年の問題点である統制群の設定は、教育現場の実情から、20年度もできなかった。統制群を一部設定できた中学校での取り組みの結果を全国英語教育学会と英語授業研究会の全国大会で発表する予定である。ほとんどの実施校で、読解速度と読解の正確さにおいて有意な伸びが見られた。動機付けの面からみると、読書レポートにコメントのみならず、教師の著説口頭による励まし、面白いと思われる多読教材の提案、努力に対する評価などが大切であることが明らかになった。 本研究の主なる目的は単語認知テストの作成とその実施である。多読によって読みの処理能力がどのように変化をするかを知るためである。中学生に実施できるように中学2年生までに学習する単語を使ったテストと高校生に実施するため中学3年生までに学習する単語を使ったテストの2種類の単語認知テストを)作成した。中学語彙の場合、プライム語に英語を使うのは無理があるので、プライム語として絵と日本語訳を使用した。このテストを21年度のプレ・テストとポスト・テストに加えて読解力と単語認知の効率との関係、多読の伸びと単語認知力の伸びとの関係について調べる予定である 単語認知力のみならず統語解析力が流暢な読みに必要で、この点を測定するテストの開発の必要性を感じた。
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