Lave & Wengerの正統的周辺参加や認知的徒弟制といった状況論的枠組みを、診療放射線技師教育の現場に具体的にあてはめ、大学入学時から卒業、そして就職までの過程について、職業人としてのアイデンティティの形成という観点から理論的な説明を試みた。また、そうした状況下での英語教育プログラムは、個別的に扱われるのではなく、全体的なカリキュラムの中に位置づけられ、全人格的成長を支える教育の一環として実施されるべきであり、学習者の経験、母語による既修および履修中科目と専門知識のレベル、現在と将来の言語的ニーズ、組織や設備面での制約、教員側の専門知識や教授技術など、さまざまな要素を総合して設計される段階的なESPプログラムでなければならないと結論づけた。 社会構成論の立場から個々の授業を設計する場合、外化と内化の循環的プロセスが言語発達を促進すると考えられるため、ペアワークやグループワークによる外化の後に個別学習によって内化を促す機会を設けるなど、学習形態の多様化とその順序を意識した言語活動課題を盛り込むことを提案した。 ICTの活用については、主に英語圏の患者教育および中学高校教員向けのサイトの利用を拡大したほか、授業用教育支援システムの継続的利用と汎用性を考慮し、Moodleへの移行を実施した。 プロジェクト学習の成果を評価に反映するための具体的な方法を考案し、期末試験のライティング課題として取り入れた。リーディング課題の理解度が視覚的に表現された発表資料に明確に現れること、また利用可能な資源と方策を使って学習者が与えられた課題を完遂しようとしている様子が、プロトコル分析により明らかになった。
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