英語プレゼンテーション時のノンバーバルの情報を、ジャッジや聴衆はどのように受け取り評価するのであろうか。発表者の視線(アイコンタクト)を測定し、客観的なデータとして用いてこの問いに答えることが、本研究の大きな目的である。平成20年度は、前年度の研究を継続・発展させた。 1. ビデオ映像からの視線解析 (1)「神戸高専英語プレゼンテーションコンテスト」のビデオ映像を、運動解析ソフトを用いて分析した。その結果、発表者のアイコンタクトは、目と鼻のXY座標値を用いることによって、非常に良く検出できることが分かった。また、ビデオカメラと発表用パソコンの位置を工夫することによって、検出しやすくなることも確認できた。 (2)「全国高等専門学校英語プレゼンテーションコンテスト」の上位入賞者2名の視線の動きを、運動解析ソフトで追尾・分析した。その結果、優秀な発表者の視線移動は、主として左右方向の顔の動きとして捉えられることが分かった。また、波形のフーリエ解析によって、発表者の視線パターンの特徴が明らかになった。 2. ジャッジペーパーの相関分析 「神戸高専プレゼンテーションコンテスト」の予選と本選におけるジャッジ表の評価項目を、相関係数をもとに分析した。その結果、とくに相関の高かった'Attractiveness'と'Slideなどについて、項目の統合・分割などの再検討が必要であることが分かった。 3. 研究のまとめ 二年間の研究によって、プレゼンテーション発表者の視線行動分析のための機材・ソフト・方法が明らかになった。今後、多くの発表者のビデオ画像分析を行えば、よりよい発表とジャッジのあり方のために応用できる。
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