1)基礎研究 (1)「駅制崩壊のメカニズム」に関する研究。桓武朝に行われた駅伝馬制度の変革により、再編後の駅伝馬制度が合理的になった反面、駅制と伝馬制の互換性/補完性や、駅路・伝馬路の複線な性格が失われ、ネットワークとしては脆弱になった。その結果、9世紀以降、駅子逃亡と駅家顛倒が隣接する駅家にダイレクトに影響を与え、それがさらに隣の駅家に波及するという連鎖反応のプロセスへと進行するようになり、駅制全体の崩壊につながっていったことが分かってきた。 (2)奈良盆地北部の条里制地割、「北の横大路」等の計画道路、平城京南端部の条坊制地割の相互関係に関する研究。史資料の収集と分析を行い、大和国添下・平群郡の計画道路と、条里制・条坊制との関係について検討をした。 2)応用研究 (1)山陰・山陽地域の古代道路について実地調査を行った。 (2)(財)リモートセンシング技術センターの講習会に参加し、今後の遺跡探査に重要な役割を果たすであろう衛星撮影データの取り扱いについて資料を収集した。 (3)駅家・駅路研究文献データベースに用いるテキストデータを作成した。
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