1) 基礎研究 (1) 「駅伝制と令制国制の形成過程とその連関性」に関する研究。令制国制成立の前提として、国司=クニノミコトモチの交通に伝馬制が不可欠の要素となっていること、令制国堺や国府の位置は計画道路などの交通路を基準に設定されたことなどから、駅伝制と令制国制の形成過程に関する連関性を研究した。 (2) 「伝馬路・伝路の復原方法」に関する研究。風土記によって駅路以外の交通路の概要が分かる出雲国を事例に、伝馬路・伝路の復原方法の検討を実施。20年度は、江戸期の国絵図を基に近世の交通路を復原し、それと風土記の記載を比較する作業に着手。まだ全体の1/3程度しか完成していないが、古代の交通路の状況が近世道路のあり方から理解できる事例などを検出している。 2) 応用研究 (1) 衛星観測データを用いた交通路復原の試み。20年度は、中国隋唐代の大運河について痕跡を検出することができた。 (2) 駅家・駅路研究文献データベースに用いるテキストデータを作成した。
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