研究課題/領域番号 |
19520571
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
坂江 渉 神戸大学, 大学院・人文学研究科, 講師 (00221995)
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研究分担者 |
中林 隆之 新潟大学, 人文学部, 准教授 (30382021)
古市 晃 花園大学, 文学部, 准教授 (00344375)
松下 正和 神戸大学, 人文学研究科, 非常勤講師 (70379329)
高橋 明裕 天理大学, 国際文化学部, 非常勤講師 (90441419)
毛利 憲一 平安女学院大学, 国際観光学部, 講師 (00425026)
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キーワード | 播磨国風土記 / 神話・伝承 / 古代村落論 / 石板 / 渡来人 |
研究概要 |
本研究は現地調査を踏まえた『播磨国風土記』の地名説話や民間神話の逐条分析を実施し、それにより古代地域社会の構造の復元的研究を目的とした。本年度の研究実績は、次の通りである。 1、2008年7月30日に、宍粟市三方町・波賀町を訪問し、民俗行事(川すそ祭り)の調査をおこない、『播磨国風土記』宍粟郡雲箇里波加村条の説話内容の実態解明に近づくことが出来た。 2、2008年9月22日に、古代の地域社会論・共同体論に関連する研究会を実施し、同問題をめぐる研究状況の問題点や課題などを鮮明にすることができた。 3、昨年度後半に科研チームで「発見」「確認」した山口県小郡文化資料館蔵の「秦益人刻書石」(仮称)については、今年度も継続的調査研究をおこない、その結果を2009年2月24日(神戸市).2月26日(山口市)の両口、記者発表の形で公表した。記者発表要旨は、次の通りである。/石板は将棋の駒状に加工(高さ23cm、幅16cm、厚さ3cm、重さ2・7キロ)/書風等から石板上の文字は奈良時代中頃に書かれたもの/表面に「餌磨郡因達郷秦益人石」と書かれ、裏面は「此石者人□□□□石在」などの文字を確認できる/山口県内で初めて確認された古代の石文であり、かつ兵庫県西部における渡来人氏族、秦氏の活動を示す最古の実物資料である/石碑などとは異なり、個人が携行する石製品に文字を刻んだ特徴的な資料であること/古代の播磨国と周防国に交流が存在したことが明らかになったこと/。発表後の新聞各紙では大きく取り上げるものもあり、毎日新聞の2009年2月27日(金)朝刊では一面掲載され・石板の写真ともに「石板持って姫路→山口/奈良時代・初確認」などと報道された。 4、2009年2月13日〜14日には.宍粟市歴史資料館で科研分担者会議を開き、メンバー相互の共同研究発表と「秦益人刻書石」の検討会をおこない、宍粟市内と佐用町内の巡見調査も実施した。
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