(1)本研究は、現代社会において大きな国際問題となっている「戦争」と「平和」の問題を、歴史的に理解するために、戦争終結後の平和状態がどのように実現・維持されたのかについて、考察することを目的とする。 (2)歴史的な研究対象としては、鎌倉幕府の平和政策をとりあげ、治承・寿永内乱期の戦争から形成された鎌倉幕府権力が、いかなる政策や行事の遂行によって、内乱期の敵・味方の関係を清算し、平和状態を実現・維持していったのかについて解明する。 (3)具体的な検討内容としては、I「敵方武士の赦免の問題」、II「敵方張本の遺族の保護の問題」、III「味方の戦死者遺族と負傷者の保護の問題」、IV「村落の勧農、復興政策」、V「敵・味方を問わない鎮魂・供養」の5つの課題を設定し、史料収集と分析・検討を進める。
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