本研究は、帝国議会・貴族院について、特に貴族院多額納税者議員の総合的研究を行うものである。具体的には、貴族院多額納税者議員の政治活動を明らかにし、その政治的な役割について検討し、従来の研究を実証的再検討し、多額納税者議員を再評価する。 この目的を達成するため、本研究では、地方所在の多額納税者議員の史料調査を基本とする。この史料調査を通じて、多額納税者議員の互選の実態、すなわち、 (1)多額納税者議員の互選における「調整」の詳細や地域社会との関係、 (2)多額納税者議員の地域代表としての役割や産業振興との関連、 (3)衆議院議員との関係や中央政界に於ける位置、その政治会派所属状況及び貴族院内有爵議員との関係など、以上の3点について究明する。
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