1950年代を中心に京都地域で展開された国民的歴史学運動の展開過程、教育現場・文化行政などへの影響を明らかにするため、以下の活動を研究協力者とともに行った。 (1) 継続中の資料調査:京都教職員組合所蔵資料については目録を作成し、概要をとらえるとともに、今後の資料保全作業の見通しを立てた(計5回)。奥丹後地方教職員組合所蔵資料については目録を作成した(計2回)。さらに国会図書館等にて関連文献・資料の調査・収集作業を行い、歴史学研究会大会に参加して情報交換を行った(計3回)。 (2) 新資料の発掘および聴き取り調査:京都府の高津八幡宮にて、近代の神社に関する文書調査を行った(計1回)。 (3) 研究成果の公表:研究代表者(田中)が2009年度に調査した三品彰英氏関係資料を用いた論考「三品彰英の神話研究-その出発点」を発表した(『近江の文化と伝統』上巻所収、2010年6月)。また研究協力者の生駒佳也が京都教職員組合資料を用いた修士論文「1950年代における同和教育運動の展開と地域社会の関わり-京都市田中地区を中心に-」を京都大学大学院に提出した。 今年度が本科研の最終年度であるため、この生駒論文も含めた論考4本と資料目録(京都民科歴史部会・京都教職員組合・奥丹後地方教職員組合の所蔵資料)からなる4年間の成果を一括した研究成果報告書(総ページ数320p・CD-ROM1枚添付)を作成し、2011年3月に公表した。
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