(1)目的 本研究は、第二次世界大戦後、1950年代を中心に日本各地で展開された国民的歴史学運動の、京都地域(京都市及び周辺地域)における展開過程や、教育現場・文化行政などへの影響を、新出史料の調査検討と関係者からの聴き取りによって明らかにする。地域の戦後史を知る上で基礎となる史料情報を発掘・整理し、同時期に広く見られた他の文化・教育運動との相互関連について考察することで、この運動を様々な立場の人々にとっての「文化的経験」として定義し直す。 (2)内容 (1)日本史研究会・京都民科歴史部会等の学会所蔵資料、京都教職員組合・奥丹後地方教職員組合や地方史サークル等の資料の所在を確認し、調査して目録を作成する。 (2)戦後歴史学・地域教育を担った研究者・教育者や一般市民から、1950年代の京都周辺地域における歴史学研究や教育運動等の実態に関する聴き取り調査を行い、貴重な証言を記録する。 (3)調査・研究結果を随時公開するとともに、データベース化し、今後の利用に供する。 以上を研究代表者が主催する「戦後歴史学ワーキンググループ」の関西の若手研究者数名(研究協力者)とともに進めていく。
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