研究課題/領域番号 |
19520593
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研究機関 | 神奈川県立金沢文庫 |
研究代表者 |
永井 晋 神奈川県立金沢文庫, 学芸課, 主任学芸員 (00443408)
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研究分担者 |
野口 実 京都女子大学, 宗教文化研究所, 教授 (40189387)
鈴木 哲雄 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (20374746)
高梨 真行 東京国立博物館, 学芸研究部, 研究員 (60356269)
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キーワード | 地域総合研究 / 中世の物流と金融 / 中世都市鎌倉の物流 / 中世前期茶業史の構築 / 中世の水運と治水 / 庄園村落と景観 |
研究概要 |
・下河辺庄に関する史料の目録化と入力 ・下河辺庄新方・川辺地区の文化財マップの作成 ・赤岩茶とよばれる下河辺庄旧領域の茶と宇治茶の関係に関する調査 ・下河辺庄新方地区(春日部市・越谷市)・赤岩地区(吉川市・松伏町)のフィールドワーク ・茨城県境町の猿島茶産地の製茶工場見学及び畦畔農家の聞取調査 ・宇治田原地区における製茶工場・茶師・在来種茶園の現地調査 ・上記調査を進めているところ、次のような事が明らかになってきている。 (1)河畔砂丘を状況による旧流路の変遷。 (2)最近まで旧下河辺庄領域に多くの畦畔茶園が残っていたこと。 (3)旧下河辺庄領域の茶が、宇治茶と同じ低地帯の茶であること。 今年度の重要な点として、律院称名寺における茶の生産が下河辺庄の末寺や庄政所を通じて下河辺庄全域に広がったであろう見通しが立ってきたことが重要である。それと共に、従前は茶道史の史料として読まれてきた『金沢文庫古文書』の茶関係史料が、中世前期の茶の生産と流通の史料、つまりは産業史の史料として読み込むことが可能であることが明らかになってきた。これは、『金沢文庫古文書』及び称名寺領とその末寺との関係を考える上で、今後大きく発展させることの可能な新たな分野の発見であり、今後の展開が期待される。
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