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2007 年度 実績報告書

日本中世における内水面の環境史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19520594
研究機関滋賀県立琵琶湖博物館

研究代表者

橋本 道範  滋賀県立琵琶湖博物館, 主任学芸員 (10344342)

キーワード環境史 / 中世史 / 内水面 / 漁撈
研究概要

1、中世のクリーク地帯に関する文献を含め、広く環境史研究に関わる文献・図書を収集し、整理した。その上で、特に歴史地理学の立場から琵琶湖を中心とした内湖の環境史研究に取り組んでいる佐野静代氏の業績を網羅的に検討し、いくつかの問題点を指摘した。また、併せて環境史研究の意義と今後の可能性についても考察を加えた。
2、岡山県吉井川下流域の旧豊原庄域に関して、「堀」を含む環境の復元作業を行った。
(1)この地域の水路網を描いている近世の「邑久郡図」(岡山大学所蔵)の写真を入手し、トレース図を作成して検討を加えた。
(2)この地域の中心的寺院の一つである餘慶寺が所蔵する「涅槃図裏書」には、奉加者の一覧が村落単位で書き込まれているが、現在は近世に解体、改装されて保存されている。そこで、コンピューター上で原形態への復元作業を行った。
(3)岡山県立図書館での文献収集と地元瀬戸内市教育委員会での史料調査および現地調査を行った。これらの成果を基に、旧豊原庄域の中世前期、鎌倉期までの通史的叙述を行っている。
3、中世の内水面における中心的な生業である漁撈の実態を解明するため、河川と湖沼、そして「河原」に関する中世前期の史料を網羅的に検討し、その環境の中世的な特質を明らかにした上で、中世前期における魚撈の実態を追究した。その結果、網野善彦氏による特権的な自由魚撈を中軸とした中世漁業・漁撈理解が実証的に成り立たないことや武者・武士による漁撈から「河原」での活計のための漁撈まで、様々な階層や集団による異質な漁撈が併存していたことなどを明らかにした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 環境史の可能性について-佐野報告に対するコメント-2008

    • 著者名/発表者名
      橋本道範
    • 学会等名
      大阪歴史科学協議会
    • 発表場所
      大淀コミュニティセンター
    • 年月日
      2008-03-15

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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