初年度中に計画されていた2回の現地調査は、計画通り実行された。 第一回現地調査:2007年8月4日〜8月16日。この間に、北京順義県沙井村と華北省攣城県寺北寨村を訪問した。村の役人、そして90年代の聞き取り調査の対象になった人達に対して、聞き取り調査を行った。順義県の公文書館において、50年代から70年代までの資料を収集した。その後、中国人研究者の協力によって聞き取り調査の記録を録音、集約し、調査記録を作成した。この際順義県における聞き取り調査は困難であった。この村では、高層集合住宅を建設するために幾軒もの農家を立ち退きさせた。この事がより公に知られる事を恐れた村の役人は、外国人研究者と交流する事に後ろ向きであった。 第二回境地調査:2008年2月21日から3月2日。天津での中国人研究者と打ち合わせの後、天津市静海県家村と山東省平原県後夏寨村を訪問した。第一回現地調査と同様、村の役人、90年代の聞き取り調査の対象になうた人達に対しての聞き取り調査を行なった。又、中国人研究者の協力によって聞き取り調査の記録を録音、集約し、調査記録を作成した。 この2回の現地調査の後、2008年における更なる調査に向け、この2回の調査結果の分析を開始した。これからの研究では、以下の項目を重点的に考察する。(1)農村における都市化の影響。(2)農村外における労働条件の変化が、農村の統治形態にもたらす影響。(3)農村における収入と消費の変化。
|