研究概要 |
ムハンマドの歴史的実像を探るための基礎資料であるイブン・イスハーク原著、イブン・ヒシャーム編注『預言者伝』を、以下のように総合的に検討した。 1)歴史的出来事を、タバリー、バラーズリー、ワーキディー、イブン・サアドなどが伝える同一の出来事と照合した。この作業は8割程度終了した。 2)伝承の経路を、イブン・サアドなどの各種の伝承者の伝記集を参照して、網羅的に整理した。この作業は、3割程度終了した。 3)個人や集団の系譜について、イブン・カルビーなどの系譜集と照合し、問題点を洗い出した。この作業は、8割程度終了した。 4)コーランの文言を、各種の注釈書と照合し、その日本語訳を決定した。この作業は9割程度終了した。 5)詩とことわざを、詩人個人の詩集の採録されているものと照合し、日本語訳を定めた。この作業はほぼ完了した。 以上の作業を、研究代表者,研究分担者、3名の研究協力者を中心に行い、各自の作業結果を毎週木曜日に持ち寄って、共同作業として整理していった。本研究は、平成20年度で完成し、21年度より、『預言者伝』の日本語訳として、岩波書店より4巻本で出版する予定である。
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