研究概要 |
研究代表者後藤と,研究分担者医王に加えて、研究協力者として高田康一(慶応大学非常勤講師)、高野太輔(大東文化大学)、森山央朗(日本学術振興会研究員)の協力をえて、イブン・イスハーク原著・イブン・ヒシャーム編注『預言者伝』を底本にして、次の作業をおこなった。 1)『預言者伝』に記載されている出来事を、他の歴史資料と照合する作業。 2)個人・集団の系譜を、他の系譜集と照合し、その異同を確認する作業。 3)引用されているコーランの文言を現行コーランと照合し、その異同を確認し、その訳を確定する作業。 4)引用されているムハンマドの言葉を、他の伝承集と照合する作業。 5)伝承の経路を、伝承学者の伝記集と照合し、確認する作業。 夷j方の作業を通じて、ムハンマド伝の根本資料である『預言者伝』の性格を解明しつつある。その成果は、翻訳というかたちで平成21年度より4巻本として刊行し、またムハンマドの歴史的実像をめぐる研究成果を、研究代表者、分担者、協力者の個別の論文として、今後発表していく。 また、ムハンマド伝研究の世界的権威の一人である、ヘブライ大学のレッカー教授が来日されていたのを機会に、わが国の研究者を集めてシンポジウムを開催し、われわれの研究の中間発表をおこなうと同時に、世界のムハンマド伝研究の現状の把握に努めた。
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