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2009 年度 実績報告書

近現代モンゴルにおける遊牧の変容

研究課題

研究課題/領域番号 19520612
研究機関早稲田大学

研究代表者

吉田 順一  早稲田大学, 文学学術院, 教授 (70063716)

キーワード史学 / 東洋史 / 内陸アジア史 / モンゴル高原 / モンゴル国 / 内モンゴル / 遊牧
研究概要

09年8月1日~10日に、内モンゴルの赤峰市に出かけてヘシクテン旗では最近のウマ飼育の問題および1995年に調査した牧民3家族の現状を聞き取りし、アルホルチン旗ではこれまで繰り返し調査してきたバヤンウンドル=ソムの牧民の現状および彼らのかつての遊牧について聞き取りした。博物館で関連資料も調査した。また9月8日~13日にモンゴル国ウランバートルに出かけ、『モンゴル人民共和国の民族学(モンゴル文)』1~3(19世紀末~20世紀初めのモンゴル国の民族学)の各巻における牧畜の項の意味のはっきりしない箇所やわからない箇所を牧民にたずね、かつウランバートル近郊で現代的な集約型牧畜を営む牧民を訪れ調査をした。歴史民族博物館で牧畜・農耕関係展示物の再調査も行い、科学アカデミー歴史研究所蔵の諸民族の民族学関係実態調査報告書を調査・収集した。
以上の調査において注目すべき点を一つ挙げると、ヘシクテン旗で旗の指導者がウマ飼養の必要性を否定する見解を示し、牧民との軋轢が生じていることを知ったことである。近年オートバイ等の車の普及によって乗用や荷物運搬への大型家畜の利用価値が低下して来ているが、内モンゴルではそれに加えて牧民家族への牧地の分配の結果各牧民家族が牧地を柵で囲い、その結果として足の速いウマやラクダの放牧が困難となって来ているが、騎馬遊牧民であることを誇りとしていたモンゴル民族の間に、ついにウマ飼養を否定する見解が打ち出され事態が生じるに至ったことは、内モンゴルの牧畜の将来を考える上で示唆的であると考えられる。
以上のほか、モンゴル国と内モンゴルの両地域のモンゴル族の遊牧経済について、現地調査から得た資料と文献を分析し、かつての遊牧経済の状態から社会主義時代の協同組合方式による牧畜経済を経て最近の状態に至るまでの変化の流れを考察して発表した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 『モンゴル秘史』研究2009

    • 著者名/発表者名
      吉田順一
    • 雑誌名

      早稲田大学モンゴル研究所紀要 第5号

      ページ: 79-105

  • [雑誌論文] クイテンの戦いの実像2009

    • 著者名/発表者名
      吉田順一
    • 雑誌名

      早稲田大学モンゴル研究所紀要 第5号

      ページ: 107-117

  • [学会発表] モンゴル人の鷹狩りについて2010

    • 著者名/発表者名
      吉田順一
    • 学会等名
      韓国モンゴル学会
    • 発表場所
      檀国大学
    • 年月日
      2010-03-27

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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