• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

朝鮮前期の対明外交交渉に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19520616
研究機関久留米大学

研究代表者

桑野 栄治  久留米大学, 文学部, 准教授 (80243864)

キーワード朝鮮前期 / 外交交渉 / 宗系弁誣 / 李成桂 / 中宗 / 洪武帝 / 正徳帝 / 大明会典
研究概要

初年度の平成19年度は宗系弁誣問題が発生した朝鮮中宗代(1506〜44年)を中心に官撰更料の調査と収集に力点を置き,ひとまず中宗代前半期に時期を絞って対明外交交渉の実態を整理・分析した。その成果の概要は以下の通りである。
1、『朝鮮王朝実録』と『明実録』を中心に朝鮮政府と明政府で繰り広げられた外交交渉の実相と朝中間の争点について検討した。その結果,明政府の回答は宗系の改正にとどまり,王氏殺害の件には言及がなかったため朝鮮政府では奏請使南袞一行の責任追究問題に発展したが,長期間の北京使行を考慮して事態を収束させたことが判明した。
2、実録・儒家文集のほか朝鮮使節の見聞記録を追跡調査し,この外交交渉が長期化した原因を探った。この問題が発生するや朝鮮政府は奏請使を明に派遣して迅速に対応したが,当時の明政府では言論により皇帝権を抑制する機能が麻痺しだ政治状況にあったことが判明し,正徳年間(1505〜21年)に『大明会典』は改正されなかった。
3、遣明使節の足取りについては儒家文集所収の中国見聞記録めほか『大東輿地図』と,『朝鮮後期地方地図』を活用することにより,中宗代後半期における主都漢城がら帝都北京までの朝中間のルートをほぼ跡づけることができた。
以上のように,初年度は中宗代における宗系弁誣問題の再燃という空白の領域を埋めた点に意義があり,次年度は嘉靖年間(1521〜66年)を中心に取り組む予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 朝鮮中宗代における宗系弁証問題の再燃2008

    • 著者名/発表者名
      桑野 栄治
    • 雑誌名

      久留米大学文学部紀要(国際文化学科編) 25

      ページ: 51-78

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi