研究課題
平成20年度は、(4)ザクセン朝の時代、(5)叙任権闘争の時代、(6)シュタウフェン朝の時代、を重点的に調査した。(4)ザクセン朝に関しては、王(皇帝)の統治の範囲、また、王と有力諸侯との関係を検討し、王の統治において、王との友誼関係amitiaや近しさfamiliaritasなどの人的紐帯が大きな機能を果たしていたこと、有力諸侯の独立性の強さを確認した。(5)叙任権闘争の時代については、叙任権闘争によってドイツ王の統治システムにどのような変化が生じ、政治的枠組みがどのように組み代わったかを検討した。帝国教会に対する王権の支配は弱まったが、帝国教会は王権の権力基盤であり続けた。(6)シュタウフェン朝の時代については、フリードリヒ1世とフリードリヒ2世(及びその息子ハインリヒ7世)の統治に焦点を当て、その統治システムを検討した。前年度と同じように、文献・史料の蒐集は、イタリアやフランス、イギリス関連の文献も含めて広く行った。
すべて 2009 2008
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Puer Apuliae. Melanges a Jean-Marie Martin, eds. E. Cuozzo, et alii (Paris, Centre de rech. d'Hist. et Civilis. de Byzance)
ページ: 451-464
近藤和彦編『歴史的ヨーロッパの政治社会』山川出版社
ページ: 38-74