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2009 年度 実績報告書

トランスナショナル・ヒストリーからみた移民政策の比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 19520622
研究機関東京学芸大学

研究代表者

菅 美弥  東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (50376844)

キーワードトランスナショナル・ヒストリー / 移民政策 / 日米関係 / 移民国家観
研究概要

国家の枠組みを越えてクロスオーバーした移民政策の連動と相関性の実態とその要因を明らかにする本研究の実証面として、第二次世界大戦後1952年に行われた米国移民・帰化法改正に対する、日本における様々なレベルの反応を検証し、日本の「移民問題」観、対米観についての論考を発表した。そこで明らかになったことは、移民法をめぐる「移民問題」とその余波によって、占領期から講和直後の「圧倒的な敗者」である日本人のうち「親米」が苦しみ、真の「知米」が生まれる機会の喪失に一部繋がったことである。移民問題への民間団体の関与とトランスナショナル・ネットワークの発展が「反米」「嫌米」の世論にかき消されたのである。また、新たな「移民問題」と戦前からの変わらぬ「移民問題」観が混在した1950年代が、日本の「移民政策」のあり方、すなわち、現代日本の「人の移動」や「移民問題」にまで関わってくるトランスナショナル・ヒストリーの一分岐点としてたち現れてくることが明らかになった。
加えてトランスナショナル・ヒストリーの断片を明らかにするべく史・資料収集とその課題についての検討をいっそう進めた。このなかで1870年、1880年の米国人口センサスにおいて報告された初期日本人移民・移住者を事例として、主に米国のセンサス史・資料である調査票原票と、移民局統計、出入国記録、乗船名簿などの従来からの移民史料を重層的に照合することで、トランスナショナル・ヒストリーの可能性と課題について詳しく検討した。さらには、昨年度から引き続き、米国から白豪主義下のオーストラリアへとトランスナショナルな移動を重ねた高須賀譲とその家族についての日本・オーストラリア双方のさらなる史料収集と末裔の方々へのインタビューを行った。これら収集した史・資料については目録作成およびデータベース化作業を行った。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 米国1952年移民・帰化法と日本における「移民問題」観の変容2010

    • 著者名/発表者名
      菅(七戸)美弥
    • 雑誌名

      東京学芸大学紀要.人文社会科学系II 61

      ページ: 127-141

  • [雑誌論文] Comments on : Dr. Tanaka Kei's"Asian Populations and Pursuits of American Social Justice : Visualizing Japanese Immigrants"2009

    • 著者名/発表者名
      菅(七戸)美弥
    • 雑誌名

      Nanzan Review of American Studies 31

      ページ: 151-156

  • [学会発表] Comments on : Dr. Tanaka Kei's "Asian Populations and Pursuits of American Social Justice : Visualizing Japanese Immigrants"2009

    • 著者名/発表者名
      菅(七戸)美弥
    • 学会等名
      第3回名古屋アメリカ研究夏期セミナー(NASSS 2009)
    • 発表場所
      南山大学
    • 年月日
      2009-07-26
  • [学会発表] 米国センサス史料への接近:国立公文書館での収集を通じて2009

    • 著者名/発表者名
      菅(七戸)美弥
    • 学会等名
      日本移民学会第19回年次大会
    • 発表場所
      同志社大学
    • 年月日
      2009-07-04

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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