研究課題
プロジェクトの最終年度となる本年度は、各自のテーマに添いつつ研究を深化させるとともに、報告書の作成に向けて研究の総括をおこなった。具体的なテーマとして、和田光弘は南部の記念碑について引き続き研究を進める一方、大陸紙幣や硬貨などの意匠の分析を通じて、アメリカのイメージ形成のダイナミズムを考察した。森脇由美子は19世紀のニューヨークを中心に、劇場など、ナショナル・アイデンティティを構成する種々の装置に注目し、その成立を分析した。久田由佳子は、18世紀末から19世紀初頭のニューイングランドを引き続き対象として、ローカル・アイデンティティとナショナル・アイデンティティとの相克を、社会史・家族史的なアプローチも加味しつつ考察し、さらにニューヨークの奴隷墓地について、記憶とシンボルの観点からその具体相を析出した。主要設備については、前年度に引き続き、ワシントンや貨幣関係図書など、関連史資料の収集をおこなった。上記のテーマに関して、メンバーは論文執筆や学会発表等を積極的におこなっているが、本研究プロジェクトの成果の一環として、若尾祐司・和田光弘編著『歴史の場-史跡・記念碑・記憶』(ミネルヴァ書房)が近々刊行予定であり、そこには研究代表者の和田および連携研究者の久田が著した論文が収録されている。さらに研究代表者・連携研究者・研究協力者の総力を結集し、本プロジェクト独自の成果報告書(冊子)を作成した。
すべて 2010 2009 その他
すべて 雑誌論文 (7件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)
愛知県立大学外国語学部紀要(地域研究・国際学編) 42
ページ: 31-50
歴史の場-史跡・記念碑・記憶(ミネルヴァ書房) (近刊)
ページ: 3-19・347-349(和田執筆部分)
ページ: 21-41(久田執筆部分)
アメリカ・ジェンダー史入門(青木書店)
ページ: 69-86(久田執筆部分)
モダン・フィジシャン 29-12
ページ: 1683-1686
アメリカ史研究入門(山川出版社)
ページ: 29-46(和田執筆部分)
自然の探究(三重大学出版会)
ページ: 31-44(森脇執筆部分)
http://www.lit.nagoya-u.ac.jp/~seiyoshi/page_wada.html