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移民の国家であるアメリカ合衆国では、国民の統合をもっとも重要な課題とする一方、さまざまな人種、民族集団の文化への尊重を基礎とした多文化・多民族共生・共存の政策、および活発な多文化主義論争が展開されている。そこでこの研究は、この論争の議論をアジア系移民博物館の設立の経緯、および展示などを通じて、総合的に検討を行う。
具体的には、アメリカ合衆国におけるアジア系移民問題、特に中国人移民と日系移民のアメリカ社会への同化過程を検討する。中国人移民と日系移民のアイデンティティの形成と変容の過程を比較しながら、アメリカ合衆国における国民統合の実態を明らかにしたい。中国人移民と日系移民の独自のアイデンティティの形成および変容の歴史過程を総合的に分析することにより、現在社会に存在するさまざまな人種・民族・宗教などの文化的な諸価値が、いかに公正で平和的に共存できるかを解明することが可能であろう。
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