研究概要 |
本研究は、前史としてのワイマル期の状況をふまえつつ、ナチの言うドイツ人とユダヤ人の「人種混交」に対する住民認識が、ニュルンベルク法(1935)以前と以後では、どのように変化していったのかを分析する。具体的には、通俗的な人種混交のイメージを、1925年には発行部数250万部にも達したディンターの小説『血に対する罪』(1917)や、Der Sturmer(1923-1944)などに探り、洗練されて客観化された人種主義を、Volk und Rasse(1926-44)やNeues Volk(1933-40)及び、Das Schwarze Korps(1935-45)の記事を分析することで明らかにする。そして、ユダヤ人との「人種混交」問題に対する住民の反応を、Meldungen aus dem Reich, 1938-1945やKulka & Jackel(H.g.), Die Juden in deng eheimen NS-Stimmenberichten 1933-1945,(2004)、及びDeutschland-Berichte der Sopade1934-1940などの史料集を手がかりに分析し、ドイツの文書館資料についても調査する。
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