本年度は、昨年にひきつづきThe Timesのマイクロフィルムの整備とその分析を実施し、イングランド教会関係の記事を収集し、基礎データを集めた。11月には2週間ほど、ロンドンのBritish Libraryにおいて資料調査を実施した。今回は、1930年代にシティの金融界に対する批判を展開した運動の中に反ユダヤ主義と結合する動きが存在したこと、イングランド教会の社会改革を展開したグループの中にこの動きに呼応するものが現れたことなどを中心に、既存の研究書や1930年代に出版された関連図書やパンフレット類について調査し、一部分析を試みた。イングランド教会の中のアングロ・カソリック派の一部が、「ダグラス少佐」のソーシャル・クレジット運動に加わる動きが見られ、一部は反ユダヤ主義の動きに呼応することになった。現在、イギリスにおける反ユダヤ主義の動向についての研究を一部進めている。
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