研究課題
基盤研究(C)
(1)本研究は、2004年~2006年度の科研費補助金による研究課題「古代ギリシアのポリスにおける碑文慣習文化に関する研究」の継続研究である。本研究では、古代ギリシアの対外関係の構築に碑文文化が果たした役割について、碑文のもつ儀礼性と実用性双方に注目しながら考察することを研究目的としている。(2)研究は以下の2つの柱から進められる。(1)外交に関わる碑文について、条約、同盟などのみならず、対外関係の構築に深くかかわった個人に対する顕彰とそれに対する被顕彰者の返礼とも言える奉納行為にも着目し、古代ギリシアの外交の儀礼的側面を明らかにする。ここでは通時的な視点をまず重要視する。(2)デロス同盟研究を碑文文化という側面から捉えなおす。従来のデロス同盟研究では、古代ギリシアの政治史および経済史という側面からもっぱらすすめられてきた。通時的研究から得られる知見をデロス同盟研究の中に取り入れることで、デロス同盟におけるポリス間の関係を相対化し、デロス同盟のあり方の特徴について再検討を行う。(3)デロス同盟に関する碑文の成立年代についての通説は、近年大きな見直しを迫られている。研究者もこの問題に大きな関心を持ち、これまでに何本もの論文を発表してきた。デロス同盟関連碑文の成立年代の見直しが進めば、当然ながらアテナイの碑文文化のあり方についての見直しが迫られることにもなる。上述の研究を進める中で、この問題に立ち戻る必要性が最終的に予想されている。
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