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2007 年度 実績報告書

17世紀スイスのカトリシズムと民衆文化に関する社会史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19520644
研究機関武蔵大学

研究代表者

踊 共二  武蔵大学, 人文学部, 教授 (20201999)

キーワード民衆文化 / スイス / ルツェルン / 宗派化 / 社会的規律化 / 魔術 / 亡霊 / 占い
研究概要

本研究の目的は,近世ヨーロッパにおける民衆文化・民衆宗教を社会史的方法によって再現することであり,宗教改革以後の厳格な宗派主義やその後の啓蒙・合理主義によっても変わらなかった西洋文化の古層ないし基層を明らかにすることである。具体的な調査の対象は,民俗資料の豊富なスイス,ルツェルンン地方に求める。今年度の調査と研究の成果について記せば以下のとおりである。
17世紀初頭の都市ルツェルンの書記官レンヴァルト・ツィザートが集めた民間伝説集を分析する文献的研究を行い,現地調査を実行し,フィーアヴァルトシュテッテ湖周辺の村落世界や山岳地帯を視察,レンヴァルトの孫にあたるヨハン・レオポルトが民俗研究を含めて記したスイス地誌(年代記)その他を初版本で入手し,関連文献をチューリヒ大学図書館で閲覧,複写を行った。彼らが残した記録には,魔術や占いの実態,各種の亡霊(死者の軍勢 wildes Heerを含む)や森の精,地の精(こびと)の信仰,竜および竜の石の伝説などが生き生きと描かれていた。この世界は,いわゆる「宗派化」や「社会的規律化」の時代にも,また啓蒙と革命の時代にも生きのび,現代においても,祝祭のなかに,また文学を代表とする表現芸術のなかに受け継がれているのである。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 近世ヨーロッパの諸宗派とユダヤ教2007

    • 著者名/発表者名
      踊 共二
    • 雑誌名

      歴史学研究 833

      ページ: 188-197

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 生き残る太古の信仰:ある近世人の心象風景2007

    • 著者名/発表者名
      踊 共二
    • 雑誌名

      創文 505

      ページ: 36-39

  • [雑誌論文] (書評)出村彰著『総説キリスト教史2宗教改革篇』2007

    • 著者名/発表者名
      踊 共二
    • 雑誌名

      キリスト教史学 61

      ページ: 257-258

  • [学会発表] 近世スイス山岳農民の宗教世界:レンヴァルト・ツィザートの民俗誌から2007

    • 著者名/発表者名
      踊 共二
    • 学会等名
      教会と社会研究会
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2007-12-22
  • [図書] ヨーロッパ読本:スイス2007

    • 著者名/発表者名
      森田 安一、踊 共二(編)
    • 総ページ数
      263
    • 出版者
      河出書房新社

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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