平成19年度の研究実績としてフィルドワークと論稿執筆の二つである。前者は.宗教美術の特徴的な展開を見せたロマネスク美術をフランスブルゴーニュについておこなった。聖セバスティアヌス像の有無と美術様式のあり方を確認した。さらに聖セバスティアヌス像の教会と所蔵のあり方としてイタリアのピエモン地方をフィルドワークした。この成実は、これまでの研究成果とあわせて以下の論稿において結実している。 1「西欧の聖人崇拝のあり方と疫病の守護聖人セバスティアヌス」(説話・伝承学方16号.2008.3) 2「イタリアの大聖堂のセバスティアヌス像の所蔵状況-第2回アンケート調査報告-」(文化史学方63号.2007.11.25) また黒死病をめぐる15世紀の人々の心性を明らかにする論稿として以下の二点さめとした。 1「イタリアの黒死病関係史料集(5)」(人文学18号.2007.11) 2「イタリアの黒死病関係史料集(6)」(人文学18号.2008.3) この史料集は翻訳と考察から成り、1は一市民のみた黒死病について.2は奢侈禁止令とペストのかかわりについて考察している。
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