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2007 年度 実績報告書

古代日本における度量衡制の成立・整備・展開の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19520650
研究機関東京学芸大学

研究代表者

木下 正史  東京学芸大学, 特任教授 (70000487)

研究分担者 木村 茂光  東京学芸大学, 教育学部, 教授 (90134759)
キーワード大尺・小尺 / 都城制 / 古代寺院 / 地方官衙 / 領域支配 / 桝 / 錘
研究概要

1、飛鳥・藤原京から平城宮に至る宮都における条坊関係遺構、宮殿建築遺構、寺院遺構を中心に、建設に際し使用された尺度について、考古資料の収集、整理、分析を進めた。その結果、6世紀末に宮殿や寺院の建設等に高麗尺が使用され始め、7世紀前半の舒明朝の百済大寺、山田寺、7世紀中頃の孝徳・斉明朝の前期難波宮、永落遺跡等において唐尺の使用画始まり、高麗尺と併用されていたことを明確にする成果を得た。しかし、7世紀中頃までの尺度使用は、宮都の主要な建築においてすら統一性が乏しく、複雛であった様相を明らかにしつつある。7世紀後半の天智・天武朝に至って大尺と小尺との使い分けが明確になり、尺度制の統一・整備が進展する画期であることを明確にしつつある。大宝令による度量衡制の整備・統一は唐制を導入したものとされてきたが、7世紀後半の宮都や中央寺院の造営において、その制度がすでに実態化されていた可能牲が高いことを明らかにした。この点は度量衡制と律令国家の成立過程との関係を考える上で極めて重要な成果である。
2、和同開珎・富本銭について度量衡との関連の観点から分析を進めた。日本における銭貨制度は中国のそれに忠実に倣い、採用したものであり、鋳造貨幣の成立・展開は天智・天武天皇時代における度量衡制の統一と密接に相関するという見通しを得た。
3、地方官衙・寺院等における度量衡関係考古資料、文献・文字資料の収集、整理、分析を進めた。その結果、各地の評・郡衙、地方寺院等の建設において、7世紀後半に唐尺の使用が始まっていることを明らかにするとともに、8世紀前半における各地での国衙の整備に関連して、地方における度量衡の統一化が進展した可能性が高いことを明らかにしつつある。
4、量衡については、宮都、地方官衙等の遺跡出土の考古資料を収集、分析を進めている。また、正倉院蔵の金属製容器について、その容量と重量、それらに関する記録史料との比較検討を進めている。
5、古代中国における度量衡に関わる従来の研究成果について検討を行い、また、考古資料の収集、整理を進めた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 古代都市の建設と土木工事2007

    • 著者名/発表者名
      木下正史
    • 雑誌名

      Consultant(建設コンサルタント協会) 237

      ページ: 28-31

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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