本研究の年代の再検討や年代決定にあたっては、相対年代では土器型式編年、絶対年代では炭素14年代およびそれを西暦に換算した較正年代を活用している。 (1)炭素14年代測定用試料の選定と採取先行研究を参考にしながら新たに出土した試料や遺漏のあった試料を補足し、それらの中から研究上意味がある栽培植物を対象とした。しかしながら栽培植物は出土量が少なかったり、調査が古いものでは試料自体が行方不明になっており、対象からはずさざるをえなかった。この問題点は当初から予想できたため、そのような場合は低湿地型貯蔵穴から出土した堅果類で測定する計画をたて、予定どおり実施した。20年度は4遺跡19点の測定を行い、その内訳は石川県三引遺跡7点、ダイラクボウ遺跡9点、米泉遺跡1点、八日市地方遺跡2点である。 (2)加速器質量分析計による炭素14年代測定 名古屋大学には学内の共同利用施設として年代測定総合研究センターがあり、同センターには炭素14年代測定用の加速器質量分析計が設置されている。それで当初は前処理・測定を依頼する予定であったが、1年間の測定数に限度があり、年度内に実施できる見込みがたたなかったことと測定代金がかわらないことから、民間の測定機関に依頼した。 (3)研究成果の発表 6^<th> World Archaeological Congressに参加し、Wetlands Dwellings and Settlements:Living in Wet Environmentsで平成19年度の成果を口頭発表した。
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