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2009 年度 実績報告書

墓葬資料による中国春秋時代社会の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19520658
研究機関成城大学

研究代表者

小澤 正人  成城大学, 文芸学部, 教授 (00257205)

キーワード中国 / 春秋時代 / 淅川 / 河南 / 楚
研究概要

本年度は、河南省淅川県で調査された墓地の検討をおこなった。淅川県ではこれまで下寺遺跡、和尚嶺遺跡、徐家嶺遺跡といった中型墓が集中する墓地が調査されている(以下これら墓地を総称して「淅川墓群」と呼ぶ)。年代は春秋中期後半から戦国前期に及んでいる。淅川墓群では中型墓が集中しており、小型墓は僅かである。また各時代の複数の墓葬からは「(化?)子」銘の青銅器が出土している。これに拠れば、淅川墓群の墓葬はこの地域に勢力を持った(化?)氏歴代のものと考えられる。
墓葬の副葬品は飲食器、楽器、車馬具、装飾品・日用品の4種に分類できる。このうち飲食器と楽器は儀礼・祭祀での使用が考えられ、車馬具とともに被葬者の身分を表現するものと考えられる。中でも注目されるのは青銅礼器である。淅川墓群の青銅礼器は、春秋中期後半から戦国前期にかけて、個々の器種の形状に変化が見られるが、器種の組み合わせについては一貫しており、変化しない。このことは祭祀・儀礼が一貫していたことを示しており、その背景にはこの墓葬の被葬者である(化?)氏が安定して存在していたことを表している。言い換えるならば、春秋時代の楚における地域勢力の根強さを表している。
ただし戦国時代に入ると、楚の都の荊州で流行した青銅器を模倣した陶礼器が副葬されるようになっており、荊州の影響力が強くなっていることが考えられる。このことは楚の王権の伸張を表しており、春秋時代から戦国時代にかけ、楚における中央と地方の関係に変化があったことを表している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 西周時代後期における青銅礼器の副葬についての一考察2010

    • 著者名/発表者名
      小澤正人
    • 雑誌名

      比較考古学の地平

      ページ: 852-862

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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