日本国内に流入した伝洛陽出土鉄鏡10面の個人所蔵者から許可を得て、X線撮影・銀塩写真(ポジカラー、モノ)、実測作業を行い記録化した。X線写真によって気泡が鮮明に写る個体が確認でき、鋳造によって作成されていることが明らかなものがある。また、鈕において中実と中空のものがあることも判明した。洛陽市文物工作隊所蔵鉄鏡では、観察が難しかった内容を補填する成果である。 洛陽市文物工作隊との共同編集で準備していた「洛陽出土鉄鏡」の刊行については、21年度に入稿することができず、結果的に返金せざるを得なくなった。研究代表である宮原が主な業務として研究所を離れたためと、努力不足が相乗し、当初計画していたエフォート配分が果たせなかったためである。 道義的な問題を残しており、自費刊行を予定している。 せっかく配当していた抱いた予算であるのにもかかわらず、有効に活用できなかったことを深くお詫びします。
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