移動が行われる空間領域がもつ固有の影響力と対比することで、実際に行われる移動距離を標準化し、時系列・事例間の比較分析を可能にする方法を提案した。この方法を用いた分析により、移動距離には年齢による変動があること、この変動パターンは、都市内か地域間かという移動スケール、転入か転出かの移動タイプ、移動者が男性か女性かによって異なることを明らかにした。ランダム効果、距離減衰効果、人口規模効果、重力効果が移動距離に与える影響力を分析し、重力モデルの説明力が常に卓越するわけではないことを明らかにした。重力モデルの枠組みによらない、新しい動態的運動モデルの可能性が示唆された。
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