研究概要 |
北関東3県は北関東間での相互交流より東京との交流が格段に多い。また、東京から見れば北関東は南関東の付属物的存在である。北関東が自立した新たな存在へと転換するには、南関東に-できない状況を構築しなければならない。ひたちなか・水戸-宇都宮-前橋・高崎-長野-上越に至る北関東自動車道・上信越自動車道沿線には一定の間隔で大都市化・分都市化型100万都市が帯状に立地し、日本列島を横断する人口稠密な帯状都市の条件を持つ。そのため、北関東と長野・新潟が連携することで、太平洋と日本海を結ぶ新たな日本列島の横断軸・北関東信越メガロポリスを創ることができる。 このルート以外に日本列島横断型メガロポリスの創生はほぼ不可能である。環日本海経済圏の発展と道州制を見据えた国土構造の再構築には、環太平洋と環日本海を結ぶ北関東信越メガロポリスの構築が必要となる。この列島横断ルートが活性化すれば、関越軸(東京-新潟)との交点.結節点として群馬県央部のポテンシャルも増す。日本列島の中間点においてこ,れまで縦貫軸を中心に構築されてきた日本の国土構造に強力なメガロポリス型横断軸を構築することは、群馬県央部をはじめとする北関東にこれまでにない自立性と地域価値、そして発展の機会を与えることになろう。また、環太平洋経済圏と成長著しい環日本海経済圏を結ぶ北関東信越メガロポリスを基軸に北関東信越州の設定も可能となる。東京圏に近接して太平洋と日本海の両方に港を持つ州は今後の成果経済の動向予測を考慮すれば、南関東に対峙できる州になる可能性も高い。 現状では北関東は南関東との交流が多く、北関東信越間の一体化にはほど遠い状況にある。しかし、人流に比べ物流に関しては、徐々に北関東信越間での動きが増加傾向にあるといえる。それだけに、北関東自動車道の全線開通や一常陸那珂港や直江津港の港湾整備によってこの傾向を強化することの必要性は高いといえる。
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