研究課題/領域番号 |
19520682
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
杉浦 芳夫 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (00117714)
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研究分担者 |
原山 道子 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 助教 (00117722)
石崎 研二 奈良女子大学, 文学部, 准教授 (10281239)
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キーワード | 中心地理論 / ナチ・ドイツ / Losch / 国土計画 / 地理学史 |
研究概要 |
1940年のテクストの冒頭の記述が示唆するように、Loschの故郷シュヴァーベンの集落分布の有様が彼の集落立地論の根底をなすことを、より客観的に実証するため、Loschの集落立地論を立地・配分モデルによって定式化し、ハイデンハイム周辺の集落分布をLoschモデルがいかに説明しうるかについて検討した。ハイデンハイム周辺の1930年代の中心地分布図を、Christaller(1933)のデータから作成し、最低次中心地が六角形格子上に立地する場合と、四角形格子上に立地する場合それぞれについて、Loschタイプの集落立地モデルによって中心地の理論的立地パターンを求め、現実の立地パターンとの対応関係をみた。その結果、四角形格子上に中心地が立地する理論的パターンの方が、現実の立地パターンに近いことが分かった。これは、1940年のテクストで、Loschの集落立地論が四角形の格子上での立地を前提にして論じられていることに符合するとともに、故郷の集落分布の有様が理論構築に影響を与えていた可能性があることを示唆している。 また、彼の集落立地論は当時のドイツの国土計画論者の間で、一定の評価を受けていたこととの関連で、彼の研究の当時のドイツ国土計画論への影響を考察する点に関しては、在職したキール大学世界経済研究所の所長Predohlとの間で、ナチ・ドイツの国土計画論に対する意見の相違があったことが日記の記述より判明した。
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