研究課題/領域番号 |
19520682
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
杉浦 芳夫 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (00117714)
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研究分担者 |
原山 道子 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 助教 (00117722)
石崎 研二 奈良女子大学, 文学部, 准教授 (10281239)
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キーワード | 中心地理論 / ナチ・ドイツ / Losch / 国土計画 / 地理学史 |
研究概要 |
Loschは、故郷のシュヴァーベン地方のみならず、訪問先アメリカの都市の分布からも自らの集落立地論を構築していった可能性があることが、1940年のテクストから予想される。そのため、オリジナル・テクストに収録されているアメリカのインディアナポリス周辺100km圏内、トレド周辺100km圏内の都市的集落の立地を、Loschモデルで検討した。この作業の過程で、次の二つの問題があることが分かった。1)オリジナル・テクスト収録の二つの地域の都市全てを特定できないこと、2)分析精度を上げるには、候補地点を1,000以上用意して、その中から理論上の都市の立地地点を見つけ出さねばならないため、予想以上に計算時間がかかること。対象都市を特定しうるものだけに限定し、かつ候補地点も100のオーダーに減らして計算を実行したが、結果は良好ではなかった。効率の良いLoschモデルのアルゴリズム開発が課題としてあることが分かった。 Losch集落立地論の当時のドイツ国土計画論への影響については、ナチ・ドイツの代表的な国土計画論関連雑誌Raumforschung und RaumordnungとNeues BauerntumにおけるLoschのオリジナル・テクストの引用状況を調べてみた。その結果、直接引用される頻度は高くなく、Christaller (1933)の中心地理論ほどの影響力は有していなかったと判断された。この理由の一っは、オリジナル・テクストの発行が第二次世界大戦の最中であったためと考えられる。
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