平成20年度、前半はアンケート調査およびインタビュー調査の準備を念入りに行った。事前調査を行った後、EBC(欧州ビジネス協会)の会員名簿にリストされている外国人マネジャー200人にE-mailにてアンケート調査票を送付した。回答者は60人で、そのうち半数がインタビュー調査への協力の意思を表明してくれた。 インタビュー調査はスクリーンで質問項目を見せながら進めた。ここではコンジョイント分析を用いて、文化的志向および、異文化の職場においてシナジーを創出するための相談ができる文化的情報提供者とのつながりを持つ社会的ネットワークの視点から、外国人マネジャーの立地選好を検証した。 東京の外国人マネジャーの多くにとって、企業環境の中で最も重要な要素は人的資源へのアクセス、次が自社ネットワーク内での協力であった。市場環境の中では、最も重要なのが市場機会、次が顧客との共同開発であった。自治体の支援や制度等がビジネスの成功に関わるという意見は少数であった。生活環境では、多様な都市生活を楽しみ、プライベートでの情報ネットワークも適応戦略において重要な要素であるとしながらも、ヨーロッパ人マネジャーにとって最も重要なクライテリアは住みやすい住環境であった。調査に参加したマネジャーのほとんどが勤務地も居住地も東京であり、東京で働くことを好んでいた。少数ではあるが、勤務地は名古屋の方がよいという人、大阪の方が住みやすいと考えている人もいた。 平成21年度は、比較のため大阪・神戸の外国人マネジャーに対してインタビュー調査、今ジョイント分析を実施する計画である。
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