本研究の最大の目的は、宗教が提議する現代社会批判の内実を明らかにし、どのような具体的な社会の再編成をそれが提示しているかを再検討することである。特に多数派であるイスラームではなく、ヒンドゥーにおける近年の運動を基点として比較研究を行うことが本研究の大きな特色である。ヒンドゥーはインドネシアの宗教のなかで最も保守的とみなされてきたのであり、そのヒンドゥーの内部にさえ現代社会への危機意識をともなう批判が出現しているのである。 本年度は申請者の病気のため、海外の調査研究はできなかった。かわりに、国内の研究体制の強化と海外の研究極力者への支援、成果の英訳を行った。
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