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2008 年度 実績報告書

GISを活用した河川流域における災害の民俗の統合的分析-吉野川を事例として

研究課題

研究課題/領域番号 19520702
研究機関徳島大学

研究代表者

高橋 晋一  徳島大学, 総合科学部, 教授 (10236284)

キーワード民俗学 / 河川 / 災害 / GIS
研究概要

本研究の目的は、吉野川流域の自然環境、災害史、災害の民俗に関わる空間情報をGISを用いてデジタル化しGISマップを作成した上で、GISソフトや画像解析システムを使い、吉野川流域の自然環境と民俗事象の相関関係を統合的に検討する作業を行い、河川環境と災害の民俗の関連を客観的に論証することにある。作業としてはまず、2万5千分の1地形図(べースマップ)の上に吉野刀中下流域の自然地形、および過去の水害被害に関わる空間情報(破堤地点、浸水域など)を落としていった。その上で、別途文献調査・現地調査に基づきデータベース化した災害の民俗に関わる空間情報(築堤、防水竹林、高石垣造りの家、小祠、石造物、祭りや儀礼など)を入力、吉野川流域の自然環境に関わるデジタル地図、災害の民俗に関わるデジタルマップを作成した。地図の上では複数のレイヤー(層)を重ね合わせることによって、自然環境と民俗事象の相関関係を個別的、視覚的に検詞することができる。本研究では、GISソフトを用いることで、河道からの標高(洪水の被害域)と地蔵尊の台座の高さとの関係など、さまざまな要素間の関係性が浮かび上がってきた。こうした手法は、従来の要素限定的・静態的な民俗地図を用いた空間分析に比べ、多くの関係因子を重ねあわせる中から動態的・客観的・実証的に諸要素間の相関関係を分析できる点に特色がある。以上のような作業を通して、災害の民俗=生活の中から生み出された伝統的な治水対策が、当地の自然環境にいかに適応的になされてきたものであるかを立証した。方法論としては、民俗分析におけるGISの有効性を、河川流域の災害の民俗の分析を通じて明らかにした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 河川流域の民俗文化再考一吉野川の事例を中心として2008

    • 著者名/発表者名
      高橋 晋一
    • 学会等名
      徳島民俗学会
    • 発表場所
      徳島県立郷土文化会館
    • 年月日
      2008-11-08

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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