初年度の研究活動としては、(1)都市の祝祭、市民参加の街作り、新旧住民間の意識面・行動面の差、市民参加型の開発をめぐる開発人類学、等に関する論点の整理、(2)市民主導によるよさこい方式の祝祭の創造・導入の全国規模の現状についての情報収集・文献資料の収集、(3)高知のよさこい祭りに関する通時的・共時的な民族誌的な資料収集、およびインタヴュー、実践的な参与観察、(4)札幌のYOSAKOIソーラン祭りに関する参与的観察、および主唱者・学生実行委員・組織委員会・東京営業事務担当者に対するインタヴューの実施、夕張における参加者フォーラムでの座長としての役割、現状の問題点と今後の展望・活動をめぐる実態の把握、(5)名古屋市の「日本ど真ん中祭り」、津市の「安濃津よさこい」、瑞浪市、大井町(神奈川県)、坂戸、朝霞のよさこい系祭りに関する予備的な民族誌的調査、を実施した。特に、高知においては地域経済との関連、主催者の指導性、禁煙の行政による積極的な企画参与面の状況を把握し、札幌では技能や演出面における専門性の向上が、参加チームと地域社会との関係希薄化と参加者減をもたらし、地域活性化と乖離する傾向について、参加者とのフォーラムにおいて討論を持つことができ、祭りと市民参与・地域活性化をめぐる問題点を整理することができた。
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