ケニア東南部の山地農耕民タイタ人の世界に関する文化人類学的研究の一環として、デジタルメディアを介した発話記録の収集とその分析を通して、文化人類学的視点からタイタ語のコーパスの動的側面を明らかにすることが本研究の目的である。これは、これまでおこなってきたタイタ語の語彙や文法などの文字化され、記述された言語データに関する研究の次の段階として位置づけられるものである。平成19年度においては、10月から科研費による研究がスタートしたことにより、タイタ語の2000の基礎語彙に関する研究に先立ち、文法構造に関する研究で採録した語彙及び各例文を、音声言語の形で収録することを中心に進めた。文法に関する事項については、表記法・名詞・形容詞・数詞・代名詞・動詞・副詞・前置詞・接続詞・関係詞の順で収録した。これらの収録は、現地調査協力者とともにおこなった。 I2007年10月〜12月:タイタ語の文法構造に関する研究 II2007年12月〜2008年1月:ケニアでの調査研究 現地調査協力者とともに文法構造に関する収録をおこなった。 III2008年1月〜2月:文法構造を収録可能な形に再整理(タイタ語のみ) IV2008年3月:ケニアでの調査研究 現地調査協力者とともに文法構造に関する収録をおこなった。 本研究は、タイタ語の発話記録に関する研究をおこない、デジタルメディアを用いて記録に残すことにより、危機言語としてのタイタ語のコーパスの全体像を明らかにしようとするものである。
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