研究概要 |
2007年度の研究は,学会での発表とインドネシアでの調査に大別できる。 まず,学会での発表であるが,2007年9月12〜14日にイタリアのナポリで開かれた第5回EUROSEAS(ヨーロッパ東南アジア研究学会)で,"State and Local Conflicting Interests and Discourses on the Communal Land Struggle in West Sumatra,"A Paper for the panel of Localities of Value:Ambiguous Strategies of Access to Land and Natural Resources in Southeast Asia,というテーマで発表した。西スマトラの共有地問題で,水をめぐる利権が大きな争点の一つであることを明らかにした。 続いて,2008年2月20日から3月3日まで行われたインドネシアでの調査である。最初に,ジャカルタのNGOを訪ね,インドネシア全体でのミネラルウォーター・ビジネスと土地の問題に対するヒアリングを行った。 次に,西スマトラでの現地調査を行った。まず,西パッサマン県カパールに行き,アブラヤシ栽培と土地紛争の問題に関する再調査を行った。さらに,パダン・パリアマン県のPDAM(県水供給公社)を訪ね,パダン・パリアマン県の水事情を調査し,その後調査地であるカバロ・ヒラランの水源地を視察し,ミネラルウォーター会社のSMS社の支店長とその従業員数名にインタビュー調査を行った。また,パヤクンブー県のPDAMでインタビュー調査を行い,係争地のムンゴとスンガイ・カムニャンの現地調査を行った。 最後に,パダン国立大学のメスティカ・ゼッド教授主催の研究会で,研究発表を行い,インドネシア人研究者・学生と意見交換を行った。
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