当度は、佐渡山安公氏所蔵の宮古島の祭祀映像のVHSテープを、DVDに移し替え、デジタル化を中心に作業を進めた。その作業状況、ま、島尻地区のパーントゥ・ウヤガン・ウブチラ・ウフカズンの映像をはじめ、大浦地区のマストリャ・ズッコモーイ、西原地区のユークイ・トゥマイニガイ・ンーヌウパツ・オカジダミニガイ・インギョマなどの祭祀及びの歌謡のVHSビデオをDVDへ変換し、デジタル化を行った。 また地域における映像資料の活用を考えるにあたって、狩俣地区では、中止されている祖神祭の復活に向けて、宮古の神と森を守る会とともにシンポジウムを開催した。祖神祭は、アブンマの後継者がいなくて、十年以上も中止された祭りであるが、当日は、かつての祖神祭の参加者、地元の関係者、沖縄本島、本土からの人々も出席し、真剣に討論が行われた。なかでも、かつての経験者が、映像を見ながら、一緒に祖神祭の神歌を口ずさんでいたのが印象的だった。 心情的には、祖神祭を復活したいとの思いは大きいが実際に実施するとなると、各個人が負担する経費が膨大なものであることがわかった。精神論も重要だが、どのようにして経費を捻出するかという問題が大きいようである。
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