研究課題/領域番号 |
19520721
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研究機関 | (財)新潟県文化振興財団(歴史博物館) |
研究代表者 |
陳 玲 新潟県立歴史博物館, 学芸課, 研究員 (10373474)
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研究分担者 |
田辺 幹 新潟県立歴史博物館, 学芸課, 研究員 (50373478)
飯島 康夫 新潟大学, 人文社会教育科学系, 準教授 (20313489)
池田 哲夫 新潟大学, 人文社会教育科学系, 教授 (50313490)
中野 泰 筑波大学, 人文社会科学研究科, 講師 (20323222)
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キーワード | 帰村 / 民俗文化と再生 / 復旧と復興 / アイデンティティ / ネットワーク |
研究概要 |
20年度において、各自計画書どおり分担課題に基づき、フィールド調査及び資料調査を実施した。3回ほど研究会を開催し、調査報告と情報交換を行なった。 具体的に、現地では、19年12月23日でもって、3年間の仮設での避難生活が一段落に終えた。全村避難し、それまでの社会関係、コミュニティを十分に生かし、かつ外部に対して意識的に開かれた体制をとってきた行政のもとで、3年間の仮設住宅の生活あらゆる面においての出来事を研究対象としてミクロ的に把握して記録し、そこから本研究課題を明らかにするのに必要な資料の集積作業は、20年度の主な目標であり、本科研の研究成果にもつながるものと考えられる。 また、現地と常に対話し、研究成果の公共性に重んじ、20年6月21日〜8月3日に開催する「山古志ふたたび」展の際に、「復興の原動力民俗文化財」を題とするシンポジウムを開催し、それまでの研究成果を発表し、現地の方々との対話と議論を持ち、その後もこの姿勢を持ち続けてきた。研究を社会に還元するという点で非常に有意義なものであり、今後の研究姿勢としても十分参考になるものである。 全村非難、仮設での避難生活の全体を通じて、民俗文化は、震災という非日常的な状態の中で、人びとがどのように実際の避難生活の中で、活用しているのか、あるいはまたどのような新しい文化が創出されたのか、「帰村」「転出」後も引き続き動向を追う必要があると認識し、これも20年度のもう一つの作業として取り組んできたのである。 以上は20年度本研究の成果として全体報告としたい。
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